「部下を注意すると不機嫌になる」やってはいけない叱り方10選

心理コラム

仕事は成果を上げる必要があるので、時には部下に対して叱ることは避けられませんが、叱り方によっては、部下が不機嫌になったり、モチベーションが低下することがあります。コラムでは効果的に叱るためのポイントと叱り方についてご紹介します。

やってはいけない叱り方 10選

① 人前で叱る

人前で叱ると、恥ずかしさや屈辱を感じさせ、相手の自信を削ぐ恐れがあります。これにより、上司と部下の信頼関係が損なわれ、モチベーションの低下につながります。

正しい叱り方

個室で叱ることで、相手の自尊心を守る

② 過去をさかのぼって叱る

過去の失敗を持ち出して叱ると、相手の防衛感情を引き起こし、話を聞く意欲を低下させます。また、「叱り」の効果が薄れる可能性があります。「だいたいこの前も…」「そういえばこれも…」と過去の失敗を蒸す発言をしていないか注意が必要です。

正しい叱り方

  • 今、起こったことに焦点を当てて叱る
  • 叱る内容は一つに絞る

③ 怒鳴ったり、乱暴な言葉で叱る

怒鳴ると相手は萎縮し、本来の力を発揮できなくなります。さらに、上司としての信頼も損なわれ、円滑なコミュニケーションが難しくなります。

正しい叱り方

  • 感情的にならず、冷静に叱る
  • 適切な言葉遣いを心がける

④ 長時間叱る

叱る時間と叱る効果は比例しません。10分以上続けると、部下は疲弊し、途中から話を聞かずに「早く終わらないかなー…」と考えている可能性があります。さらに、叱られている間は、自身の仕事も手につけられないため、結果として仕事の遅れや不都合が生じることがあります。

正しい叱り方

叱る時間は5分以内に収める

⑤ 部下の状況を聞かずに一方的に叱る

相手の事情を聞かずに、思い込みで叱ると部下のモチベーションを下げる要因になります。

正しい叱り方

叱る前に相手の状況や言い分を聞き、状況を把握する

⑥ 他人と比較して叱る

「○○君に比べて君はダメだな」「同期の○○の方が優秀だ」というような他人と比べると、劣等感を抱かせ、モチベーションを低下させます。

正しい叱り方

  • 部下の過去からの成長と比較する
  • 部下の未来の姿と比較して不足している箇所や身に着けてほしいスキルを伝える

⑦ 人格を否定する

「お前は何をやらせてもダメだ」と人格を否定する叱責は、相手に深い心理的ダメージを与え、自信を削ぎ落としてしまいます。叱る目的は、相手を打ちのめすこと、傷つけることではありません。

正しい叱り方

相手の行動を叱る

⑧ 抽象的に叱る

「ちゃんとね」「しっかりね」「頑張って」と抽象的に言っても、具体的にどのような行動をとればよいのか、何を改善すればよいのかが相手に全く伝わりません。

正しい叱り方

「メールを送る前は誤字脱字チェックをする」など、具体的な行動を伝える

⑨ 一般化をして叱る

「あなたはいつも失敗する」「また?」などすべてを一般化した言い方をすると、相手は自分の良い部分を見てもらえないと感じ、不信感を募らせます。また、人は相手が期待する通りにふるまおうとする習性があり、マイナスの言葉をかけ続ければマイナスの行動をし(ゴーレム効果)、プラスの言葉をかけ続ければプラスの行動をとろうとします(ピグマリオン効果)。そのため、「いつもダメ」というようなマイナスな言葉をかけるほど本当にダメな人間になっていきます。

正しい叱り方

  • できている部分を認め、プラスの言葉をかける
  • 同じ過ちを繰り返す原因に焦点を当てる

⑩ 理由を伝えずに叱る

何故叱るのか理由を伝えずに叱ると、上司や上の立場の人からの価値観の押し付けと受け取られる可能性があります。

正しい叱り方

  • なぜその行動を変える必要があるのか、理由を伝える
  • 業務の意味や目的を伝える

部下が不機嫌になる理由

1.自尊心の傷つき

叱られることで自分の能力や価値が否定されたと感じ、自尊心が下がることが不機嫌の原因となります。

2.不公平感

自分だけが叱られていると感じたり、他の同僚が同じミスをしても叱られない場合、不公平感を感じて不満を抱くことがあります。

3.叱り方の問題

叱り方が過度に感情的だったり、攻撃的な場合、部下は防衛的になり、反発心を抱くことがあります。また、公共の場で叱られると羞恥心を感じやすく、不機嫌になることがあります。

4.コミュニケーションの不足

普段から上司とのコミュニケーションが少ないと、叱られる場面だけが強調され、関係性が悪化しやすいです。日常的なコミュニケーションが不足していると、叱られること自体が大きなストレスとなります。

まとめ|管理職向け「通信教材」

「どうして部下にこんなに気を使わなければならないのか」と思われるかもしれません。しかし、自分の価値観を押し付けたり、ただ正論を伝えるだけでは、部下との信頼関係が築くことができず、部下が不機嫌になったり、マネジメントができなくなる恐れがあります。だからこそ、時代に合った叱り方を実践することが大切です。上司が叱り方を変えることで、部下はその変化を感じ取り「自分も頑張ってみよう」と思うようになり、部下の行動にも変化が表れます。

管理職向け通信教材

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この記事を書いた人

株式会社Tell Tool 編集部

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