優秀なプレイヤーだった管理職が陥りがちな罠

心理コラム

管理職になると、プレイヤーとして活躍していた時とは異なり、組織全体を効率よく動かすためのマネジメントスキルが求められます。しかし、優秀なプレイヤーだった経験を持つ管理職は、次のような落とし穴に陥ることがあります。これらを理解し、対処することで、より良いリーダーシップを発揮できるようになります。

優秀なプレイヤーだった管理職が陥りがちな罠

1. 部下に自分と同じレベルを求めてしまう

優秀なプレイヤーは、過去に自分が高い成果を出してきたため、部下にも同じように高いパフォーマンスを期待しがちです。しかし、全ての人が高い成果を出せるわけではありません。
例えば、普通の社員が60点の仕事をしている場合、それを「手を抜いている」と感じるかもしれませんが、その社員にとってはベストを尽くしている結果かもしれません。高すぎる期待は、部下にプレッシャーを与え、職場の雰囲気を悪化させることがあります。

対策:成長段階に応じたサポート

管理職の役割は、部下が安定して成果を出せる環境を整え、その成果を少しずつ向上させていくことです。最初は60点で十分であり、それ以上を求めすぎないことが大切です。そして、少しずつ60点を65点、70点へと引き上げ、組織全体のパフォーマンスを向上させる視点を持ちましょう。

2. 完璧な人材を求めてしまう

優秀な管理職は、自分が完璧を目指してきた経験から、部下にも完璧さを要求してしまうことがあります。しかし、全ての人に得意なことと苦手なことがあり、短所にばかり目を向けると、部下の自信を損なうことになりかねません。
たとえば、人と話すのが得意ですぐに顧客と関係構築ができる人もいれば、初対面は頼りない印象でも、誠実な対応で長期的な顧客対応に力を発揮する人もいます。

対策:成長段階に応じたサポート

部下の得意な分野に注目し、それを伸ばす役割分担を行うことが重要です。長所と短所はトレードオフの関係です。短所を克服させるよりも、長所を伸ばすことを意識しましょう。

3. できない社員を排除しようとしてしまう

優秀なプレイヤーとしては、成果を上げられない部下に対して否定的になり、つい排除するような態度を取ることがあります。その結果、社員の離職や休職などで人手不足が加速し、残った社員の負担が増す可能性があります。

対策:「2:6:2の法則」を理解する

集団の「2:6:2の法則」とは、組織の中で2割が優秀、6割が平均、そして残りの2割が低いパフォーマンスを示すという法則です。下位2割を異動させても、同じような割合が再び形成されるとされています。この法則を理解し、組織内のバランスを保つことが、管理職の重要な役割の一つです。

4. 叱りすぎてしまう

プレイヤー時代に成果を追求してきたため、部下に厳しく叱ることが多くなることがあります。しかし、過度な叱責は部下のモチベーションを下げ、自信を失わせる原因になります。

対策:「ロサダの法則」を理解する

ロサダの法則」では、叱る回数に対して3倍の褒めが理想とされています。仕事がうまくいっていない部下に対して、褒める部分が無いと思わずに、日常のさりげない声掛けやリラックスできる雑談を提供しましょう。これも褒めるうちに入ります。無理に褒めるのではなく、一人一人を尊重し、肯定的なシグナルを送り続けることが大切です。

5. すぐに成果を出そうとしてしまう

プレイヤーとして短期的な成果を出してきた経験から、管理職になってもすぐに結果を求めがちです。このように、部下に圧力をかけることで、部下はストレスを感じるだけでなく、必要な準備や計画を無視した無謀なやり方で結果を出そうとするため、かえって失敗やミスを引き起こすリスクが高まります

対策:プロセスの評価を行う

成果に焦点を当てるのではなく、成果に至るまでのプロセスを評価する姿勢を持つことが大切です。部下が努力を重ねている過程や改善に向けた行動を評価し、それをフィードバックとして伝えることで、部下は安心感を持って仕事に取り組むことができます。前向きに仕事に取り組むことを積み重ねることで、成果へとつながります。

まとめ|マネジメント検査で人材育成

優秀なプレイヤーとしての経験は、そのまま部下に当てはめることで、思わぬ落とし穴にはまることがあります。部下の成長を促すためには、短期的な成果に固執せず、長期的な視点とプロセス重視のマネジメントが必要です。

Q. どんなことができるの?

  • リーダータイプを診断します
  • リスクチェックを行います
  • 管理職としての得意分野や苦手分野を可視化します

Q. どんな効果があるの?

リスクチェックや苦手分野といった、普段指摘しづらい課題を可視化することで、EQの高い管理職を育成することが可能になります。これにより、部下の潜在能力を引き出すだけでなく、離職予防メンタルへルス不調の予防といった、組織全体の健康維持の効果が期待できます。

Q. 他社との違いは?

受検して終わりではない、継続的な学びをご提供します。

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