叱れないマネジメントを卒業!段階的に叱る方法

心理コラム

「パワハラ」と言われるリスクや、社員がすぐに落ち込むなど、適切に指導することが難しい状況から、叱り方に悩む管理職が増えています。しかし、人材マネジメントを行うためには、正しい叱り方を身につける必要があります。
この記事では、段階的に叱る方法について紹介します。

若手社員への指導が難しい理由

若手社員への指導に関する悩みとして、次のような事例がよく聞かれます。

  • 研修中に居眠りをする
  • 業務中にSNSをチェックする
  • 言葉遣いが不適切
  • ミーティングに遅刻する

こういった問題に対して、上司が適切に注意できない理由には、「パワハラへの懸念」や「少し叱るだけで相手が落ち込む」といった心理的な障壁があります。
特に、叱られ慣れていない若手社員は、強い叱責に対してショックを受けやすく、上司が腫れ物に触るような対応を取ることが多くなります

注意しないことの弊害:割れ窓理論

犯罪学の「割れ窓理論」によれば、小さな問題であっても、放置すると大きな問題に発展するリスクがあります。例えば、社員がミーティングに無断で遅刻した際、上司が何も言わなければ、「遅刻が許される」というメッセージとして受け取り、組織全体の規律が崩れる可能性があります。そのため、小さな問題でも初回から適切に指導することが重要です。

パワハラを回避する段階的な叱り方

段階的に叱ることで、パワハラのリスクを抑えながらも効果的な指導が可能です。これには3つの段階があります。

ステップ1:柔らかく注意する

最初の段階では、柔らかく注意します。例として、社員が無断で遅刻した場合、次のように軽く注意を促します。

  • 上司:「どうしたの?」
  • 社員:「クレーム対応があって遅れました」
  • 上司「分かった。次は時間通りに来てください」

このように、軽い注意でも社員は反省し、行動を改善するきっかけをつかむことができます

ステップ2:事実に基づいた強めの指導

同じミスが繰り返された場合、事実に基づいて少し強めに指導します。

  • 事実:「遅刻したのはこれで2度目ですね」
  • 影響:「遅刻した分、会議の進行が遅れて困る」/「遅刻していいという雰囲気がでてしまう」
  • 指示:「どうしても遅れるときは、事前に連絡してほしい」

このように、DESC法(事実、影響、指示、選択肢)を活用することで、感情的にならずに冷静な指導ができます。

ステップ3:厳しく対応

3回目以降のミスについては、徐々に厳しい対応にしていきます。その際、パワハラと見なされるリスクが高くなるため、必要に応じて人事部門や、上司と連携を取りながら対応することが求められます。

ポイント:「理由」よりも「行動」に焦点を当てる

叱る際は、「理由」ではなく、「行動」に焦点を当てることが重要です。
例えば、遅刻した社員に対して、「遅れた理由」ではなく「事前に連絡しなかった」という行動に焦点を当てて叱ります。遅刻する理由はさまざまありますが、遅れた際に適切な行動をとるかは、その人の責任感やプロ意識に直結するためです。

部下が遅刻をした際は、次のようなポイントを意識して叱りましょう。

  • 行動の改善を促す
    「連絡を怠った」という具体的な行動に焦点を当て、次回、同じ状況になった際どうするべきかを具体的に伝えましょう。
  • 問題の責任を明確にする
    遅刻の理由は避けられない外部要因による場合がありますが、連絡をしなかったこと(行動)はその人の責任です。この責任を明確にすることで、今後の行動に対する意識が高まります。
  • 行動を改善するメリットを伝える
    「事前の連絡があれば他のメンバーがフォローできる」などのメリットを伝えることで、行動改善の必要性を伝えます。

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特に若手社員は、叱られることに慣れておらず、強く指摘されるとすぐに落ち込む傾向があります。そのため、段階的に叱ることで、相手に適切な行動へと導くことができます。

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この記事を書いた人

株式会社Tell Tool 編集部

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