「自ら意思決定する力」は部下の成長を加速させる

心理コラム

部下育成において、「自ら考え、意思決定をする経験」を促すことは、意欲向上や責任感の向上に非常に効果的です。しかし、それがなぜ有効なのか、具体的なプロセスまで意識している人は意外と少ないものです。
本記事では、その理由や実践方法など日々のマネジメントに活かせるヒントをお伝えします。

なぜ意思決定が意欲や責任感を高めるのか?

1. 内発的動機づけの強化

自分自身で意思決定を行うことで「これは自分が選んだことだ」という感覚が生まれます。つまり、行動の原動力が、外部からの指示や報酬ではなく、自分自身の興味や価値観に基づくものになるのです。これを内発的動機づけと言います。内発的動機づけによる行動は、仕事そのものに楽しさや意義を見出し、意欲や責任感の向上を引き出します。

自分で「やる」と決めた仕事の方が、指示された仕事よりも意欲的に取り組めるのと同じです

2. 「自分ごと化」が進む

自分で意思決定を行うことで、自分の意思や行動が仕事の成果や周囲への影響に直結することを実感します。「自分に関係がある」「自分が結果を左右する」という認識が深まると、仕事を「自分ごと化」として捉えるようになり、責任感が自然と高まります。

3. 成長実感が得られる

自ら意思決定した結果、リスクや困難が伴うこともありますが、それを経験することで、部下は学び、成長します。
たとえば、あるプロジェクトで部下に意思決定を任せると、結果の良し悪しにかかわらず、「次にどうすれば良いか」を考える機会が生まれます。この「考え、選び、行動する」プロセスを繰り返すことで、問題解決能力や判断力が磨かれ、より責任感を持って仕事に取り組む姿勢が育まれます。

【実践例】部下に意思決定を促す方法

実践編

では、実際にどのようにすれば部下が自ら意思決定できる環境を整えられるのでしょうか?
具体的な方法をご紹介します。

1. 選択肢を与える

「これをやっておいて」と指示をするのではなく、「AとBのどちらを優先するべきだと思う?」といった形で選択肢を提示しましょう。これにより、部下が自分で考える機会を作ることができます。

2. ゴールを共有し、プロセスを任せる

タスクの最終的な目標を示し、その達成までの方法や手順は部下に任せましょう。部下は試行錯誤を重ねる中で、自分なりの最適解を見つける力が養われます。

3. フィードバックを通じた振り返り

意思決定後には、必ず振り返りを行いましょう。「今回の選択はどうだったか」「次はどのように改善できるか」を話し合うことで、部下は成功体験や失敗から、学ぶ機会を得ることができます。

注意点:放置しすぎないこと

部下に仕事を任せる際、放置しすぎないことが重要です。部下が選択を迷った際や、リスクが大きい場面には、適切なアドバイスやサポートを行いましょう。たとえば、 

  • 「これがリスクになりそうだけど、どう考える?」
  • 「この部分はサポートするから安心して進めてみて」

といった言葉をかけることで、安心感を持たせながら部下の意思を尊重し、成長を後押しできます。

まとめ

部下が自ら意思決定を行う環境を整えることで、意欲や責任感が向上します。ぜひ、日常のマネジメントに取り入れてみてください。

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この記事を書いた人

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