【健康経営】認知の歪みとメンタルへルス不調の関係
企業でのメンタルヘルス対策として、ストレスチェック制度の導入や相談窓口の設置などが一般的ですが、メンタルヘルス不調の原因はストレスだけではありません。実は、社員一人ひとりの出来事の捉え方、つまり「認知の歪み」が大きく影響しています。本コラムでは、この認知の歪みとメンタルヘルス不調の関係性について詳しく解説します。
もくじ
『認知の歪み』とは?
認知の歪みとは、出来事に対する感じ方や評価に偏りや歪みが生じる現象のことです。認知の歪みにはさまざまな種類がありますが、代表的なものをいくつか紹介します。
- 白黒思考:物事を極端な二極化で判断する傾向
- 過度な一般化:一つの出来事を基に過度な憶測をする傾向
- マイナス思考:いい出来事があっても、その価値を認めず、否定的に評価する傾向
- 論理の飛躍:根拠のない情報から飛躍的な解釈をする傾向
『認知の歪み』テスト
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上司に怒られたとき、Aさんは「自分には価値が無いんだ…」と自分を否定されたように受け取り、Bさんは「次は気を付けよう」と考えるとします。認知の歪みがあるのはどちらだと思いますか?
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答えはAさんです。
上司は仕事のやり方を注意をしたにも関わらず、Aさんは「自分自身を否定された」と事実と異なる受け取り方をしている状態になります。このような認知の歪みがある場合、イライラしたりネガティブな感情になりやすくなります。
認知の歪みがメンタルへルスに与える影響
認知の歪みがあることで、出来事を現実とは異なる偏った視点で解釈することになり、これがストレスや不安を増幅させ、メンタルヘルスの問題を引き起こします。具体的な例を見てみましょう。
1.白黒思考
白黒思考の傾向がある場合、仕事で小さなミスをした場合、「自分は役に立たない」「もうダメだ」と小さなミスを取り返しのつかないミスのように極端に考えがちです。このような思考は、自己評価を著しく低下させ、うつ病のリスクを高めます。
2.過度な一般化
過度な一般化の傾向がある場合、一度の失敗で「自分はいつも失敗する」と捉え、自信喪失や継続的な不安感を引き起こします。
3.マイナス思考
マイナス思考の傾向がある場合、仕事がうまくいっても「運が良かっただけ」と捉え、自分を認められません。これにより自己肯定感や満足度が低下し、うつ病のリスクが高まります。
4.論理の飛躍
論理の飛躍の傾向がある場合、上司の声や表情から「自分は上司に嫌われている」と勝手に憶測し、落ち込んでしまいます。
メンタルヘルスへの具体的な影響
認知の歪みは、以下のようにメンタルヘルスに影響を与えます。
① ストレスの増加
認知の歪みにより、出来事を過度にネガティブに捉え、ストレスを増幅させます。これにより、睡眠障害や消化器官系の問題、うつ病や不安障害へのリスクが増加します。
② 自己肯定感の低下
自己否定的な評価が続くと、自分の能力や価値を過小評価し、自己肯定感が低下します。長期間にわたる自己肯定感の低下は、メンタルヘルスに深刻な悪影響を与えます。
③ うつ病の進行
歪んだ認知パターンは、自己評価を低下させ、自信を喪失させます。これにより、慢性的な悲観主義や無力感を感じるようになり、うつ症状が進行します。
④ 人間関係の悪化
認知の歪みによって他人の言動を誤解しやすくなり、人間関係において誤解や対立が生じやすくなります。これが孤立感や社会的不安を増大させる要因となります。
まとめ|通信教材でメンタルへルス対策
認知の歪みを理解し、適切に対処することでメンタルヘルス不調の根本的な対策につながります。そのため、メンタルへルス不調の対策を考える場合、認知の歪みを修正するサポートを提供し、健康的な思考パターンを育む環境を整えることが求められます。
毎月、メンタルヘルスに関する情報を提供し、従業員の健康意識向上と、学びを通じたメンタルヘルスの強化を支援します。
Q. どのようなことができるの?
社員が抱えるメンタルヘルスに関する疑問や課題に寄り添い、実践的な学びを提供します。
- ストレスの仕組みと対処法:
なぜストレスを感じやすいのか?その背景を理解し、適切に対処する方法を学びます。 - コミュニケーション方法:
ストレスを抱えた社員にどのように接し、フォローすれば良いのかを考えます。 - メンタル不調への対応:
自分や他者がメンタル不調を感じたとき、どのように行動すれば良いのかを具体的に解説します。 - 強いメンタルを育てるために:
心の強さを養うための日々の習慣や考え方を学び、ポジティブな自分を目指します。
コンテンツの詳細や資料請求はこちらからご確認いただけます。
この記事を書いた人
株式会社Tell Tool 編集部
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