【ADHD】大人の発達障害への理解と職場での正しい体制づくり

心理コラム

大人の発達障害とは

大人の発達障害は、主に大学生以上の成人期以降に、不注意から来るケアレスミス、物忘れの多さから、問題となり判明することから大人の発達障害と呼ばれています。

学生時代までは、うまくやり過ごしていたり、むしろ定型発達者よりも優秀な成績を収めており、あまり問題にならなかったが、社会に出ると、ケアレスミスや物忘れの多さなどが原因でトラブルが発生するケースがあります。

発達障害の大枠についてはこちらのコラムをご参照ください

ADHDの特徴

ADHDは注意欠如多動性障害ともよばれ、不注意(集中力がない)、多動性(落ち着きがない)、衝動性(キレやすい、思いつくと行動してしまう)といった症状がみられる障害です。

注意欠如

忘れ物をする人

注意を長時間続けることが難しく、詳細や指示を見落とすことがあります。

  • 物忘れやなくしものが多い
  • 約束などを忘れてしまう
  • ケアレスミスが多い
  • コツコツやることが苦手
  • マルチタスクが苦手

多動性

落ち着きがない人

多動性は、過度な活発性や落ち着きのなさを特徴とします。

  • 長時間座ることが苦手
  • 手や足を絶えず動かしたりぶらぶらさせたくなる
  • 落ち着きがない

衝動性

衝動的な人

衝動性は、衝動的な行動や思考を特徴としています。

  • 後先考えずに意思決定をする(衝動買いや無計画な行動など)
  • 自制が効かない(他人の話を遮って自分が話す、我慢ができない)
  • 即座に反応する

症状の現れ方

これら3つの特徴は、同時に全て現れるというわけではなく、①「不注意」が目立つ場合、②「多動性」や「衝動性」が目立つ場合、③全てを併せ持つ場合など、個人差があります。

① 不注意優勢型

不注意優位型

不注意優勢型のADHDは、主に注意欠如の特徴が顕著に表れるタイプになります。そのため、忘れっぽさや気が散りやすいなどの特徴が顕著に表れます。しかし、衝動性や多動性の症状が全くないわけではなく、多動・衝動性優位と比べて軽度であることが 一般的です。

② 多動・衝動性優位型

多動・衝動性優位型

多動・衝動性優位型のADHDは、多動性と衝動性の特徴が顕著に表れるタイプになります。そのため、落ち着きがない、活発、そして感情のコントロールが苦手な傾向があります。

③ 混合型

混合型

混合型のADHDは、注意欠如と多動・衝動性の症状が同等に表れるタイプになります。

ADHDが仕事で苦労する理由

大人になるにつれ、本人が状況に対処する「コツ」のようなものを身に着けることで身体的な多動の症状は軽減することがあります。しかし、頭の中の多動性は軽減することが難しく、思考があちこちに飛んでしまう人もすくなくありません。

衝動性により同じミスを繰り返す

うっかりミスをする人

衝動性により、一瞬でも「ふと」止まって考えることができず、反射的に回答したり、行動してしまう傾向があります。

ADHDが同じミスを繰り返しやすいのは、過去から学ばないというよりも、反応が早すぎるため、過去の経験を思い出す余裕がないというのが正しい理解になります。反応があまりにも早すぎるため、周囲からは何も考えていないという印象になってしまうのです。

多動性により様々な方向に思考が巡る

ADHDの頭の中

多動性により、思考があちこちに巡り、何について話していたか本人も忘れてしまうことがあります。

ADHDの場合、短い質問には即答することができる一方で、複数の質問を受けたり、回答すべき内容が増えると、次の質問を忘れてたり、要点を得ない回答をしてしまうことがあります。

マルチタスクが苦手

電話をしながらメモが取れない人

ADHDはワーキングメモリに弱さがあり、情報量が多い場合や複雑な情報処理が必要な場合、情報を記憶できず、情報処理が困難になることがあります。

そのため、同時に複数の指示を受けると一部を忘れたり、電話中にメモが取れないなど、マルチタスクができないことにつながります。

さらに、それらを補うために頭の頭をフル稼働させる必要があるので、ケアレスミスが増加したり、通常では起こりにくいミスを何度もしてしまう場合があります。

あまりにもミスが多いため、怠けているという印象を与えてしまうこともあります。

眠気を感じやすい

居眠りする人

ADHDにおいて、眠気を感じやすい要因は様々ですが、主な理由の一つは、元々注意力を維持することが難しいため、常に集中を保つために多大な努力が必要であることです。

このため、脳が過度に活発になるために疲労が蓄積しやすく、日中に眠気を感じやすい傾向があるのです。

また、ADHDは睡眠障害であるナルコレプシーが合併することが多いという特徴もあります。

自己肯定感が下がりやすい

モチベーションが低下する人

ADHDの特性により、過去に周囲から怒られたり非難されることが多く、自尊心が傷つき、自己肯定感が下がっている人が多い傾向があります。また、感情の起伏が激しく、気持ちが高揚していたかと思うと、急に落ち込み絶望のどん底になることもあります。

職場での正しい体制づくり

「やればできる」「努力すればできる」というような根性の問題ではなく、脳の情報処理の問題だと理解し、周囲がフォローできるような体制づくりを行いましょう。

① マルチタスクを控える → タスクを紙に書き出す

仕事の現場では、作業中に人に話しかけられたり、電話しながらメモをとるなど、どうしてもマルチタスクの状態になることがあります。そこで、次々とタスクを受けるのではなく、いったんすべてのタスクを紙に書き出ししましょう。そうすることで、ぐちゃぐちゃになった思考がスッキリする事が多いです。

タスクを書いた紙をどこかになくしてしまうしまう場合は、紙切れに書くのではなく、大きなノートを用意し、日付ごとにノートのページを変えることで整理し、なくさないように対策をしましょう!

② 反射的に回答してしまう → メタ認知力を鍛える

客観視する人

メタ認知力とは自分の思考を客観的に把握する力を指します。メタ認知を行うことで、「今、自分はパニックになっているな」「今、自分は瞬間的に回答しようとしているな」と自身の状態を客観的に把握することができます。

メタ認知力を鍛える方法はこちら

③ 眠気を感じやすい → 睡眠環境を見直す

ADHDの特性上、眠気を感じやすいことは仕方のないことでもあります。そのため、少しでも改善するために睡眠環境を見直すことを検討しましょう。光や雑音、温度、寝具があっていないなどの要因で睡眠の質が低下することがあります。それらを改善し、睡眠の質を向上させましょう。

当社は、社員同士の歩み寄りを後押しします

大人の発達障害でADHDの場合、不注意から来るケアレスミス、物忘れの多さなどから、周囲から叱られることが多くなり、自信を失いメンタル不調になったり、生きづらさを感じる傾向があります。

しかし、ADHDは直観力に優れ、既存の枠にとらわれず、自分の好きなことに熱中し、才能を発揮することができます。そして、注意が色々な方向に向く傾向があり、誰もが気づかないようなことに気が付く良い面もあります。

そのため、周囲がADHDの特性を理解し、フォローし合える関係性を築く必要があります。

当社は、ADHDなどの発達障害への理解や、フォローのやり方などを記載した研修Bookを提供しています。詳細の内容は事前に打ち合わせをし、作成させていただきます。

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