部下のモチベーションを下げるNG発言とその改善策

心理コラム

無意識に発した言葉が、部下のやる気を大きく削ぐ結果になることがあります。この記事では、管理職が陥りがちな「モチベーションを下げるNG発言」とその改善策を紹介します。部下との信頼関係を築き、成長を促すために、ぜひチェックしてみてください。

部下のモチベーションを下げるNG発言

1.「現実的ではないね」

NG理由:
部下の提案に対し、「できない理由」を説明していませんか?
部下が自ら考え提案した内容に対し、すぐに「現実的ではない」と否定すると、部下は自分の意見が軽視されていると感じます。特に、何度も否定されると「どうせまた否定される」と感じ、創意工夫をする意欲やチャレンジ精神を失ってしまいます。これが続くと、積極的に提案する姿勢がなくなり、モチベーションが低下します。

改善策:
部下からの提案に対し、建設的なフィードバックを行う必要があります。

  • STEP1:肯定的な側面を強調する
    「新しい視点だね」「考えてくれてありがとう」とまずは提案した部下を評価する
  • STEP2: 課題や実現性について一緒に考える
    「どうすれば実現できるか考えよう」と一緒に考える姿勢を見せましょう
  • STEP3: チャレンジを推奨する
    「今回は難しかったけど、次もアイデアを出してほしい」と、挑戦を促しましょう

2.「そんなこといちいち報告しなくていいよ」

NG理由:
部下が報告するという行動は、情報共有やコミュニケーションの一環であり、上司への信頼や協力を示すものです。その行動を「いちいち報告しなくていい」と否定することで、部下は自分の判断や努力が評価されていないと感じ、報告する意欲を失います。これが原因で、部下が自発的な報告を控えるようになり、結果的にチームのコミュニケーションが途絶え、トラブルが発生するリスクが高まります。

改善策:

  • STEP 1: 感謝を伝える
    「報告ありがとう」と感謝の言葉をかけ、部下が安心して報告できる環境を整える
  • STEP 2: 報告のタイミングや内容を具体的に指示する
    「この作業が終わったら報告が欲しいな」と指示をする

3.「もっと早く言ってよ」

NG理由:
部下が問題や進捗の遅れを報告するのは、勇気が必要な場合が多いです。その際に「もっと早く言ってよ」と言われると、部下はその努力や報告する勇気を否定されたように感じ、次回以降報告をためらう可能性があります。報告の遅れが続くことで、問題が深刻化するリスクが高まり、結果的に職場全体のパフォーマンスが下がる恐れがあります。

改善策:

  • STEP 1: 感謝を伝える
    「報告ありがとう」と感謝の言葉をかけ、部下が安心して報告できる環境を整える
  • STEP 2 :報告のタイミングや内容を具体的に指示する
    「次回は問題が分かった段階で教えてくれると助かるよ」と、改善を求めつつ前向きに次の行動を促す

4.「なぜ失敗したの?」

NG理由
失敗に対して「なぜ?」と問い詰められると、部下はミスそのものよりも、自分が責められていると感じることがあります。特に、失敗が初めての場合や、原因が明確でない場合、問い詰められることは部下にとって大きなストレスになります。これにより、部下は挑戦することを恐れ、モチベーションが低下します。

改善策:
特に若い社員は失敗をしながら成長していきます。失敗を糧として成長させていくには、状況に合わせて対策を立てることが大切です。

  • STEP 1: 初めての失敗を受け入れる
    「初めてなら仕方ないね」と受け入れる
  • STEP 2: 繰り返し失敗している場合、要因分析をする
    何度も同じミスがある場合、その原因を一緒に分析し、改善のポイントを確認する
  • STEP 3: 再発防止策を考える
    「次はどうすれば成功できるかな?」と、部下自身に次の対策を考えさせ、成長の糧にする
  • STEP4: 努力やプロセスを褒める
    結果だけでなく、部下の挑戦や努力を認めることで、失敗を乗り越えるモチベーションを与えり

5.「いいから言ったとおりにやってください」

NG理由
指示に対して「いいから言われたとおりにやれ」という言葉で片付けると、部下は自分の考えや疑問が軽視されていると感じます。これにより、業務への関心や理解が低下し、自主性を持って取り組む姿勢が失われます。部下がただ「言われたことをこなすだけ」の受動的な態度になり、結果的にモチベーションが低下してしまいます。

改善策:
仕事を指示する場合、その業務を行う背景や目的を一緒に伝えるようにしましょう。

  • STEP 1: 目的や背景を説明する
    「この仕事の目的は…」と、その業務がなぜ必要なのかを伝えましょう。
  • STEP 2: 質問を確認する
    説明の最後に「分からない点や不安な点はありますか?」と確認し、丁寧に答えてサポートしましょう。

まとめ|マネジメント検査で人材育成

言葉の選び方ひとつで、部下の成長に大きな影響を与えることがあります。そのため、部下のモチベーションを下げる発言は注意が必要です。今回紹介した改善策を取り入れることで、部下の成長をサポートし、職場全体のパフォーマンスを向上させる環境を作りましょう。
また、当社の『マネジメント検査』では、無意識に部下のやる気を削ぐ言葉やパワーハラスメントが行われていないかをチェックすることが可能です。ぜひご活用ください。

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  • 部下の離職予防
  • 部下のメンタルへルス不調予防
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