ブルシット・ジョブとは|仕事が苦痛になる原因

もくじ
ブルシット・ジョブとは

アメリカの人類学者デヴィッド・グレーバー(David Graeber)が提唱した概念で、社会にほとんど、あるいは全く意味や価値をもたらしていないとされる仕事を指します。それにもかかわらず、そのような仕事を行っている人々は、これが必要であると信じさせられている、あるいは少なくともそのように装っているという点が特徴です。
※ブルシット(bullshit)は嘘、でたらめのこと
ブルシット・ジョブの種類
ブルシット・ジョブには次のようなものがあります。
- 取り巻き
- 脅し屋
- 尻ぬぐい
- 書類穴埋め人
- タスクマスター
1. 取り巻き
「取り巻き」の仕事は、実際の価値や貢献が少なく、他の人の地位や権威を引き立てるためだけに存在します。例えば以下のような職種があります。
- ドアマン:
実際にはドアを開ける必要がないにもかかわらず、高級感を演出するために配置される - 受付やフロント:
必要性が低い場所に設置され、「この会社はこれだけ余裕がある」という印象を与える
ブルシット・ジョブである理由
取り巻きの仕事は、見た目やステータスを重視する文化の中で重宝されるものの、表面的な価値しか生み出さず、実質的な成果や貢献がほとんどないため、ブルシットジョブとされます。
2. 脅し屋
「脅し屋」の仕事は、雇用主のために他人を脅したり欺いたりする役割を果たします。これにより、競争や圧力を激化させることが目的です。例えば以下のような職種があります。
- 広告事業者:
実際には効果がない商品を視覚効果で売り込む。 - 訴訟を煽る弁護士:
訴訟を増やし、競争や圧力を激化させることで利益を上げる
ブルシット・ジョブである理由
脅し屋の仕事は、供給が需要を上回っている現代において、消費者の不安を煽ることで需要を人工的に生み出し、人に不必要なものを買わせ、利益を追求する仕事です。結果的に資源の浪費を招くだけのため、ブルシット・ジョブとして分類されます。
3. 尻ぬぐい
「尻ぬぐい」の仕事は、システムや組織の欠陥を一時的に修正するために存在する仕事です。根本的な解決策を提供するのではないので、その場しのぎの処置になります。例えば以下のような業務があります。
- バグが多い製品のデバック作業:
問題が多い製品の修正作業で、根本的な解決にはつながらない - 失敗すると分かっている計画の実行:
リソースや時間が無駄に消費され、成果を生まない
ブルシット・ジョブである理由
尻ぬぐいの仕事は、システムやプロセスの根本的な問題を解決せず、一時的な対応や修正にとどまるため、長期的な改善に寄与することはありません。これによる同じ問題が繰り返され、最終的にはリソースと時間が無駄に浪費されるためブルシット・ジョブと見なされます。特に日本では、周囲の批判を無視して計画が進められることが多く、その結果が現場の下請けに押し付けられることがあります。
4. 書類穴埋め
「書類穴埋め」とは、実際には成果が伴わないものの、形式的な業務を通じて何かが達成されたように見せかける仕事です。例えば次のような職種があります。
- 報告書作成者:
報告書を作成すること自体が目的で、実際の業務改善にはつながらない - アンケート集計者:
集計した結果が実際の改善に活用されない
ブルシット・ジョブである理由
書類穴埋めの仕事は、見た目の達成感を生み出すことを目的としており、実際の問題解決や業務の改善には全く寄与しません。単に「何かをしている感」を演出するだけで、労働力やリソースの無駄遣いや、価値のない作業が増えるため、ブルシット・ジョブとされています。
5. タスクマスター
「タスクマスター」は、他の人々に仕事を与えたり、監督することが主な役割ですが、その仕事が本当に必要かどうかは疑問です。
- 不要な管理職:
部下の業務に実質的な影響を与えず、いなくても問題ない。 - 多忙なフリをした管理職:
自分を忙しく見せるために、無意味なタスクを部下に押し付ける。
ブルシット・ジョブである理由
タスクマスターの仕事は、他者に対して無意味なタスクを与えたり、管理業務を増やすことで組織の効率を低下させるため、ブルシット・ジョブと見なされます。これらの役割は、実際には存在しなくても問題がない場合が多く、多忙を装った暇な管理職が暇つぶしのために無駄な仕事を見つけ、さらに他者に仕事を押し付けることでリソースが無駄に消費される悪循環が生まれます。
まとめ|働く満足度調査で企業課題へアプローチ
現代のホワイトカラーの仕事は、現場仕事に比べて成果や存在意義が見えにくく、自分たちの役割を証明するために不要なタスクや役職を作りがちです。これがブルシット・ジョブを生む原因となります。一度こうした役割や業務が形成されると、それを削減するのは難しく、むしろ増えることさえあります。例えば、会議を減らすための会議を行うなどです。
このような問題に対処するためには、企業が主体となって、業務への満足度や貢献の実感を把握し、適切にアプローチする必要があります。

Q. どんなことができるの?
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Q. どんな効果があるの?
企業様にはメンタルヘルスチェックとしてご活用いただけるだけでなく、従業員様にはメンタルヘルスの重要性を学ぶ機会を提供します。この取り組みにより、組織内のメンタルヘルス不調者の減少や早期離職の予防が期待できます。
Q. 他社との違いは?
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