パニック障害とは?職場での配慮と適切な対応

心理コラム

パニック障害とは

パニック障害は、突然、強い恐怖感や不安感に襲われる精神障害です。

パニック障害の症状

① パニック発作

パニック発作になる女性

「パニック発作」は、パニック障害の中心となる症状で、強烈な不安や恐怖感が伴います。発作は電車の中、会議の途中、緊張感が解けた瞬間などに起こることがあります。

【具体例】パニック発作

  • 息苦しい(呼吸困難)
  • 心臓がバクバクし、動悸が激しくなる
  • 息をしても酸素が吸えていないような感覚がある
  • 手足が震える
  • 冷や汗がでる
  • めまいがする

発作は通常、5~20分ほどで収束しますが、「このまま死んでしまうのではないか」という恐怖を感じます。

② 予期不安

不安になる女性

「予期不安」とは、パニック発作の辛さや恐怖から、「また発作が起きたらどうしよう」と不安が生じることを指します。「パニック発作」が改善しても、「予期不安」を感じて、電車や人混みを避ける、エレベーターやトンネルなどの逃げられない場所を避けるようになることがあります。

③ 広場恐怖

「広場恐怖」とは、以前に発作を起こした場所や、すぐに逃げ出せない場所、助けを得られないような場所に対して、恐怖や不安を感じる状態のことを指します。

広場恐怖が発生する場所

  • 電車、バス、車、飛行機などの乗り物
  • トンネルやエレベーターなどの閉鎖された空間
  • 人混みの中
  • 一人の時など、誰にも助けが求められない状況

パニック障害の特徴として、これらの症状が出ているにもかわらず、検査をしても特に身体の異常が見つからないことが挙げられます。そして、発作が何度も繰り返し起こると、「発作がまた起きるのではないか…?」という不安なり、その不安が新たな発作を引き起こす悪循環になります。

パニック障害の原因

パニック障害の原因は、完全には解明されておらず、特定のトリガーが無くても発症します。ただし、遺伝的な要因や脳内のホルモンバランスの変化、ストレス、過去のトラウマが関係していると考えられています。以下のような状態には注意が必要です。

  • 仕事や家事、育児で精神的に追い詰められている
  • 家庭や職場の人間関係でストレスが溜まっている
  • 頑張り屋で自分を犠牲にする性格
  • 完璧主義で細かいことが気になる性格  など

パニック発作を感じた時の対処法 3選

パニック発作が起こった場合、死に至ることはないと分かっていても、強い恐怖や不安が押し寄せて取り乱してしまうことがあります。そのような状況に備えて、対処法を心得ておくことは重要です。以下に一般的なパニック発作の対処法をいくつかご紹介します。

① ゆっくり呼吸をする

パニック発作が起きた場合、以下の手順に従って腹式呼吸を行いましょう。

STEP1 姿勢を整える

心地よい姿勢をとり、目を閉じます。

STEP2 息を吸う

鼻からゆっくりと息を吸い込みながら、腹部が膨らむように意識します。

STEP3 息を吐く

息を吸い込んだ後、口を少しずつ開けて、ろうそくが消えないくらいの弱さでゆっくりと息を吐き出します。吐く息は長めに続けましょう。

STEP4 気持ちを落ち着かせる

腹式呼吸を行いながら、心の中で「落ち着いている」「大丈夫」と自分に言い聞かせます。この言葉を繰り返すことで、自分を安心させる効果があります。

「呼吸しないと!」と慌てると、逆に呼吸過剰になってしまうことがあります。そのため、過呼吸やパニック発作の場合は、ゆっくりと息を吐くことに集中することが大切です。「ろうそくの火が消えないくらいの弱い力で」ゆっくりと吐くことを意識しましょう。

② 親しい人に電話をかける

焦って電話をかける人

周囲に誰もおらず、不安を感じた時は、親しい人に電話をかけましょう。声を聞いたり、「大丈夫」と言ってもらえるだけで、気持ちを安心させることができます。

③ 頓服薬を飲む

薬を飲む人

発作が起きた時に飲む頓服薬を処方してもらい、常に持参しておきましょう。

職場での配慮について

パニック発作が現れた時の対応

職場の人に突然パニック発作が現れた時、以下の3つのポイントを意識して対応しましょう。

  1. 安心感を与える
    • 「大丈夫」「私がそばにいます」声をかけながら、背中を優しくさすってあげましょう
  2. 安全を確保する
    • 人通りの多い場所や騒がしい場所の場合、静かで安心できるところに移動しましょう
  3. 呼吸を整える
    • ゆっくりとした呼吸を一緒に行い、呼吸を整えるお手伝いをしましょう
    • 「4秒かけて息を吸って」「4秒かけてゆっくり息を吐いて」
    • 「ろうそくが消えないくらいにゆっくり息を吐いて」と声をかけましょう

職場での配慮方法

① 出勤時間をずらす

パニック障害は、電車の中や人混みで起こりやすい傾向があります。そのため、出勤時間をずらすことで、混雑を避けたり、リラックスした状態で出勤できるようにできます。フレックスタイムの導入なども良いです。

② テレワークを導入する

テレワークへの切り替えは柔軟に対応しましょう。また、本人は「迷惑をかけて申し訳ない…」という気持ちでいっぱいのため、「テレワークをさせてください」とは言いだしにくいです。そのため、管理者が率先して働きやすい環境を提案することが大切です。

③ 専門機関への相談を促す

専門機関への受診を促すことが大切です。心理カウンセリングや認知行動療法などが効果的で、適切な治療を受けながら症状を管理する方法を見つけることができます。

④ 職場の理解を促す

パニック発作が起こると、最初は家族や職場の人も心配してくれますが、発作が何度も繰り返されることで、「またか」「大げさだ」と考えるようになり、パニック発作の苦しみが理解されにくくなることがあります。そのため、会社として社員にパニック障害に関する情報を提供することで、当事者の声に耳を傾けるきっかけになります。



パニック障害は、ストレスが長期間続くと、誰にでも発症する可能性がある精神障害です。そのため、パニック発作が起きた時の適切な対応方法や、職場での配慮について事前準備が大切です。

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