敬語でもパワハラになる?管理職が注意すべきパワハラの具体例
もくじ
敬語でもパワーハラスメントになる?
パワーハラスメントは敏感な問題となっていますが、管理職として、適切なコミュニケーションを図りつつも、意図せずパワハラとなってしまう言動には注意が必要です。特に、「乱暴な言葉を使わなければ大丈夫」と考えるのは危険です。敬語を使っていても、相手を尊重せずに圧力をかけると、見かけ上は敬意を示しているように見えますが、実際には相手を傷つける行為として、パワーハラスメントに該当する場合があります。
パワーハラスメントの定義
パワーハラスメントの定義は「事業主が職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、その雇用する労働者の就業環境が害されること」です。典型的な例は、「精神的な攻撃」であり、脅迫、名誉毀損、侮辱、暴言があります。
グレーゾーンの判断基準
パワーハラスメントの中で特に「精神的な攻撃」は個人の捉え方に依存する部分が大きいため、判断が難しい場合も多くあります。詳しい判断基準については、以下のコラムで詳しく解説しています。
パワーハラスメントに該当する具体例 10選
1.ここは学校じゃないですよ
「ここは学校じゃない」という言葉には、「社会人なのに学生レベル」といった相手を見下す意味合いが含まれています。このような発言は、相手の能力を否定し、心理的な負荷を与える意図があるとみなされ、「精神的な攻撃」としてパワーハラスメントに該当する可能性があります。また、職場のルールや文化に馴染めない人を排除する意図で言っている場合、「人間関係からの切り離し」に該当する可能性もあります。
2.給与に見合う仕事をしてください
「給与に見合った仕事をしていない」と相手を非難することで、相手に対して不適切なプレッシャーを与えることになります。また、業務の遂行のために給与の話を持ち出す必要はないことから、業務上必要かつ相当な理由があったとは言えず、パワーハラスメントに該当する可能性があります。
3.会社は文章の書き方を教えるところじゃないですよ
この発言は、相手の文章能力を否定し、しかもその能力を向上させる支援をしないことを示唆しています。これにより、相手の自信を傷つけ、不安を引き起こすことから「精神的な攻撃」としてパワーハラスメントに該当する場合があります。
4.会社を辞めた方がみんなのためですよ
「会社を辞めた方がみんなのためですよ」という発言は、その内容から、相手を職場の一員として認めない、あるいは相手の存在を否定する意図を含むことが考えられます。これにより、相手が職場で孤立感を感じる可能性があるため、「人間関係からの切り離し」に該当する可能性があります。また、社員の能力や価値を低く評価することで、個人の尊厳を傷つけ、精神的なストレスをかけることにつながるため「精神的な攻撃」に該当し、パワーハラスメントと見なされる可能性があります。
5.あなたに任せるといつもこうなりますね
過去の失敗を強調することで、相手の能力に対して否定的な印象を与えます。これにより、相手は自己肯定感を損ない、自信を喪失する可能性があります。この言葉を特定の人に対して繰り返し使うことで、その人をターゲットにした嫌がらせや精神的な圧迫と受け取られることがあり、パワーハラスメントと認識される可能性があります。
6.この程度のこともできないのですか?
相手ができないことをあえて強調することで、自尊心を傷つけ、屈辱感を与えるため、「精神的な攻撃」としてパワーハラスメントに該当する可能性があります。
7.あなたにはこれくらいしか任せられませんね
露骨に相手の能力を軽視する発言です。相手の能力や価値を低く評価し、それ以上の責任や仕事を任せないというメッセージを含んでいるため、過小な要求として受け取られる可能性があります。
8.こんな簡単こと、他の人ならすぐにできるんですがね
他の人と比較して劣っていることを強調しています。これにより、相手は自分が無能であると感じ、劣等感を抱くことになるため、精神的なにダメージを与えるためパワーハラスメントと受け取られる可能性があります。
9.同じことを言わせないでください
相手に対して威圧的な印象を与える可能性があり「精神的な攻撃」と見なされることがあります。また、このような発言が繰り返し行われることで、相手が質問や確認を躊躇するような状況におかれ「人間関係からの切り離し」に該当する可能性もあります。
10.本当に、大丈夫ですか?任せて大丈夫ですか?
相手の能力や信頼性を疑うようなニュアンスが含まれます。繰り返しこのような質問をすることで、相手は自分が信頼されていないと感じ、不安やストレスを抱くことになります。また、周囲に対しても相手の能力に対する疑念を広めることになり、職場環境を悪化させる要因となります。
マネジメント検査でリスクチェック
これらの言葉は、敬語であってもその背後にある感情や態度が問題となります。部下に対する敬意や配慮が欠けている場合、相手に不快感やプレッシャーを与え、結果的にパワハラと認識される可能性があります。管理職としては、コミュニケーションの際に言葉の選び方だけでなく、相手の感じ方にも注意を払うことが大切です。
当社の「マネジメント検査」は、無自覚なパワーハラスメントやリーダーシップ能力に焦点を当てた項目を測定し、受検後には研修シートを配布することで社員の自己啓発を促します。
Q. どんなことができるの?
- リーダータイプを診断します
- リスクチェックを行います
- 管理職としての得意分野や苦手分野を可視化します
Q. どんな効果があるの?
リスクチェックや苦手分野といった、普段指摘しづらい課題を可視化することで、EQの高い管理職を育成することが可能になります。これにより、部下の潜在能力を引き出すだけでなく、離職予防やメンタルへルス不調の予防といった、組織全体の健康維持の効果が期待できます。
Q. 他社との違いは?
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