【メンタルへルス対策】うつ病と適応障害の違い
心の健康に関する問題はますます注目されるようになりました。その中でも「うつ病」と「適応障害」という二つの疾患は、しばしば混同されがちでが、これらは異なる特性を持つ病気です。本記事では、うつ病と適応障害の違いについて説明します。
もくじ
うつ病とは
うつ病は、持続的な抑うつ気分や興味・喜びの喪失を特徴とする精神障害です。うつ病は人口の1~3%にみられ、一生のうち一度以上はうつ病にかかったことがある人は7%前後とされ、生活のあらゆる側面に深刻な影響を及ぼします。
症状
- 抑うつ気分:ほぼ毎日、そしてほとんどの時間で感じられる
- 興味や喜びの喪失:通常楽しんでいた活動に対する興味がなくなる
- 体重変動:食欲の増減に伴う体重の著しい変動
- 睡眠障害:不眠や過眠
- 疲労感:ほとんど毎日感じる強い疲労感
- 無価値感や罪悪感:過度な自己批判や罪悪感
- 集中力の低下:思考や集中力の低下、決断力の減退
- 自殺念慮:死にたい、あるいは自殺を考える
原因
うつ病の原因は、多因子性であり、遺伝的要因、生物学的要因、心理的要因、環境的要因が複雑に絡み合っています。治療には、抗うつ薬や休養が用いられます。
うつ病の判断基準(DSM-5)
以下の症状のうち5つ(またはそれ以上)が同じ2週間の間に存在し、病前の機能からの変化を起こしている。
- その人自身の言葉か、他者の観察によって示される、ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分
- ほとんど1日中、ほとんど毎日の、すべて、またはほとんどすべての活動における興味または喜びの著しい減退
- 食事療法をしていないのに、有意の体重減少、または体重増加、またはほとんど毎日の食欲の減退または増加
- ほとんど毎日の不眠または過眠
- ほとんど毎日の精神運動焦燥または制止
- ほとんど毎日の疲労感、または気力の減退
- ほとんど毎日の無価値感、または過剰であるか不適切な罪責感
- 思考力や集中力の減退、または決断困難がほとんど毎日認められる
- 死についての反復思考、特別な計画はないが反復的な自殺念慮、または自殺企図、または自殺するためのはっきりとした計画
適応障害とは
適応障害は、特定のストレス要因に対し適応できなくなって発症する精神障害です。ストレスの原因が明確であるため、ストレスから離れると6カ月以内に症状が改善することが特徴です。しかし、長期間ストレスが続くと、適応障害がうつ病に進行する恐れがあります。そのため、不調を感じたらすぐに受診する必要があります。
症状
- 抑うつ気分:悲しみや絶望感
- 不安感:過度の心配や不安感
- 睡眠障害:不眠や過眠
- 身体症状:頭痛、胃痛、疲労感などの身体的な不調
- 行動の変化:攻撃的になったり、引きこもったりする
原因
人は通常、多少のストレスには適応して生活していますが、環境の変化や過度なストレスなどで適応能力が低下し、心身の不調が現れると適応障害になります。
適応障害の診断基準(DSM-5)
- はっきりと確認できるストレス因子に反応して、3 ヶ月以内に症状が出現する
- 以下のどちらかで示されるほど重症である
- そのストレス因子からの予測をはるかに超えた苦痛
- 社会的または職業的(学業上の)機能の著しい障害
- 他の精神障害の基準を満たしていない
- 症状は死別反応を示すものではない
- そのストレス因子が終結すると、症状は 6 ヶ月以上持続しない
ポイント
うつ病と適応障害は、似ている部分が多く、明確な違いはありません。これは、うつ病の基準を満たせばうつ病、不安障害の基準を満たせば不安障害と診断されるからです。特に、適応障害の判断基準(DSM-5)に「他の精神障害の基準を満たしていない」という条件があるため、適応障害はうつ病や不安障害ほど重くない軽症のものとなります。
【まとめ】うつ病と適応障害の違い
違い
うつ病 | 適応障害 | |
---|---|---|
原因 | 特定の原因が無い | 特定のストレス |
症状 | 「興味の減退」「快体験の喪失」など感情が無くなる。覇気がない。 | ストレスに晒されると気分障害が生じる。覇気が無い印象は無い。 |
持続時間 | 長期 | ストレス要因が解消されると短期で改善する |
ストレスから離れると | ストレスから離れても回復しない | ストレスから離れると回復する |
治療法 | 休養と服薬 | ストレスから離れる、環境を変える |
共通点
- 憂うつな気分になる
- 身体症状が出る
- 生活に影響が出る
- ストレスで悪化する
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