新型うつ病とは?従来のうつ病との違い

心理コラム

現代の職場におけるメンタルヘルスの現状

現代の職場では、メンタルヘルス問題が深刻化しています。厚生労働省の調査によると、日本の労働者の約60%が何らかのストレスを抱えており、特にうつ病のなどのメンタルヘルスの問題が増加しています。
従来のうつ病に加え、最近では「新型うつ病」も注目されています。特に若い世代に多く見られるため、企業はその特徴を理解し、従業員の健康や職場の生産性を守るための適切な対応が求められています。

令和3年 労働安全衛生調査(厚生労働省)より

新型うつ病とは

「新型うつ病」という言葉は、医学的な正式な病名ではありません。これは、従来のうつ病とは少し異なる特徴を持つうつ病を指すために、マスコミなどで使われるようになった言葉です。明確な定義や診断基準があるわけではありませんが、「新型」と呼ばれるのは、時代とともに人々の価値観や環境が変わり、それに伴ってうつ病の症状も変化していることを示しています

新型うつ病の特徴

新型うつ病は、特に20代~30代の若者に増えている心の病気です。従来のうつ病とは異なり、責任感が薄かったり、問題を自分ではなく周囲や環境に押し付ける傾向がある人がなりやすいとされています。

従来のうつ病との違い

1. 気分の落ち込み

従来のうつ病は、気分が沈んだ状態が続くのが特徴ですが、新型うつでは、楽しい場面やストレスのない状況では一時的に気分がよくなることがあります。例えば、職場では元気が出なくても、友人と遊んだり趣味に没頭している時には元気になることが多いです。

2. 年代

従来のうつ病は中高年層に多く見られる傾向がありましたが、新型うつ病は若年層に多く見られる傾向があります。

3. 症状

従来のうつ病は、意欲の低下、興味の減退、不眠食欲減退といった症状が特徴的でしたが、新型うつ病では逆に、過眠食欲増加が目立つことがあります。

4. 考え方

従来のうつ病では、ストレスを感じた時に「自分が悪い」と自分を責める傾向があります(自罰的)。一方、新型うつ病では「自分は悪くない」「周りや環境が悪い」と他人や環境のせいにする傾向があります(他罰的)。

新型うつ病は、周囲から「甘え」や「やる気の問題」と誤解されやすいです。しかし、実際には気分の不調が慢性的に続き、薬も効きにくいため、回復に時間がかかることがあります。

企業が取り組むべき対策

うつ病は、早期に発見し対応することで、影響を極力抑えて回復に向かうことができます。特に若い世代は職場への適応に苦労しやすく、短期間で退職することも少なくないため、早期の適切な対応が求められています。

【具体的な対策】

  1. 定期的なストレスチェック
    メンタルヘルスに関する質問を設け、早期に異変に気付くための仕組みを構築
  2. 相談窓口の設置
    匿名で相談できる窓口や専門家によるカウンセリングの体制
  3. 相談しやすい環境づくり
    全ての従業員が同僚の異変に気づきやすいようにメンタルへルス研修を行う

まとめ|満足度調査でメンタルへルス対策

うつ病は放っておくと悪化し、治療が長引くことがあります。「甘え」と決めつけずに、心や体の不調を感じたら専門家に相談することが大切です。特に管理職は、部下の様子がいつもと違うと感じたら、早めに声をかけたり気を配り、適切な専門家につなげるようにしましょう。

働く満足度調査

Q. どんなことができるの?

  • 組織の健康状態を4段階で測定します
  • 社員の心のSOSを可視化します
  • 職場改善案をご提案します

Q. どんな効果があるの?

企業様にはメンタルヘルスチェックとしてご活用いただけるだけでなく、従業員様にはメンタルヘルスの重要性を学ぶ機会を提供します。この取り組みにより、組織内のメンタルヘルス不調者の減少や早期離職の予防が期待できます。

Q. 他社との違いは?

受検して終わりではない、継続的な学びをご提供します。