社員の責任感を高める鍵は「信じて任せること」

心理コラム

「信じて任せること」が大切な理由

社員の責任感に課題を感じる管理職の中には、社員に仕事を任せているつもりでも、つい社員の仕事の進め方に口を出してしまったり「本当に大丈夫か?」と疑念を投げかけてしまうことがあります。
しかし、こうした行動は、社員に「そんなに心配なら自分でやればいいのに」と思わせてしまい、かえって責任感ややる気を削ぐ原因となる場合があります。
社員の責任感を育むためには、なによりも「信じて任せること」が欠かせません。その理由は次の2つです。

1. 経験を通じて責任感が育つ

信頼されて仕事を任されることで、社員は自らの判断や行動が周囲にどのような影響を与えどのように成果につながるのかを肌で感じることができます。その過程で、仕事への意欲や責任感が自然と高まっていきます。
また、試行錯誤を繰り返しながら成果を出す経験は、成功体験として蓄積され、より大きなチャレンジにも積極的に取り組む姿勢を生み出します。こうした経験の積み重ねこそが、社員を成長させ、責任感を育む土台となるのです。

2. 自己効力感を高める

信頼して仕事を任せる行為は、社員に対して「あなたにはこの仕事をやり遂げる力がある」と期待を示す行為です。この期待に応える形で、社員は自分の能力を信じるようになり、仕事に対する自信を深めていきます。これが「自己効力感」の向上です。
さらに、上司からの信頼を感じることで、「自分は組織にとって重要な存在である」という意識が強まり、組織や仕事への貢献意欲が高まります。この結果、社員は与えられた役割を果たそうとする責任感を一層強くするのです。

「信頼」が責任感を育む

社員の責任感を高めるには、「細かく指示すること」ではなく、「信じて任せること」が重要です。たとえ不安があったとしても、思い切って一歩引き、見守る姿勢を持つことが求められます。
「自分が信じてもらえている」と感じた社員は、その期待に応えようと努力します。その信頼が、社員の潜在能力を引き出し、責任感を育む第一歩となります。

責任感が生まれるプロセス

社員を信じて仕事を任せたからといって、すぐに責任感が高まるわけではありません。多くの場合、「面倒くさい」「やりたくない」と感じるものです。しかし、責任感は、一朝一夕に形成されるものではなく、段階を踏んで育まれていきます。そのため、責任感が生まれる過程において一喜一憂するのは禁物です。
以下に、社員の心境の変化と、その段階ごとに管理者がとるべき対応について解説します。

フェーズ① 抵抗感を感じる

新しい仕事や慣れない業務に対して、多くの社員は消極的な態度を示します。これは、責任感がないからではなく、人が自然に抱く抵抗感の表れです。この初期段階で、「もっと責任感を持ってください!」と促しても、逆効果になることがあります。

このフェーズでは、まず社員に仕事の目的や全体像をしっかり理解してもらうことが重要です。

  • 「なぜこの仕事が必要なのか」
  • 「この業務が全体にどのように影響するのか」

を伝えることで、前向きな取り組みの基盤を作りましょう。

フェーズ② 自ら考える機会の増加

仕事を進める中で、社員は徐々に「どうすればうまく進められるか」と考え始めます。この過程で初めて、責任感の芽が生まれます。自分で判断し、決定を下す機会が増えることで、業務への意識が高まり、自身の役割をより深く理解するようになります。

このフェーズでは、社員が自ら試行錯誤できる環境を整えることが求められます。細かい指示を控え、結果を見守ることで、社員の主体性と責任感を引き出すことができます。

フェーズ③ 失敗を通じて学ぶ

仕事を進める中で、失敗は避けられません。しかし、失敗を通じて社員は、自分の課題や改善点を見つけ、次にどのように対応すべきかを学ぶことができるのです。
このフェーズでは、管理者として、失敗を責めるのではなく、それを振り返り、次の成功に繋げるサポートをすることが大切です。

フェーズ④ 責任感の向上と成長

経験を積み重ねることで、社員は次第に「任された仕事をやり遂げたい」という強い責任感を持つようになります。この責任感が高まることで、社員は主体的に考え、行動するようになり、やがてリーダーシップを発揮する段階に到達します。
このフェーズに達した社員は、単なる業務遂行者ではなく、組織を支える重要な存在へと成長しています。

まとめ

責任感は、ただ指示を与えるだけでは育ちません。社員が自ら考え、挑戦し、時に失敗しながら成長していくプロセスを見守ることが鍵になります。最初は、頼りなく見える社員でも、経験を重ねる中で徐々に責任感を発揮するようになります。
ただし、全員が同じペースで成長するわけではなく、一部の社員は責任を避ける傾向が強い人もいます。責任を負うことを避ける傾向があり、こうした個人差に対応するために、人材の特性や資質を見極める手段として適性検査を活用することは非常に有効です。
適性検査を通じて、各社員の強みや課題を明確にし、それぞれに合ったサポートを提供することで、責任感を引き出すきっかけになります。

適性検査で人材育成

Q. どんなことができるの?

社会人としての基礎力(行動力、責任感、ストレス耐性、セルフケア能力等)や、認知の歪みを測定し、フィードバックを提供します。

Q. どんな効果があるの?

  • 人材育成
    社員一人ひとりが自己理解を深め、自身の目標や方向性を明確にすることができます
  • EQ(こころの知能指数)の向上
    EQの向上に特化したプログラムを提供することで、職場で信頼され、成果を上げるEQの高い人材を育成します

Q. 他社との違いは?

受検して終わりではない、継続的な学びをご提供します。

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