MBTIハラスメントとは:職場での偏見とその影響
MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)とは、「ものの見方」や「判断のしかた」、「興味関心の方向」、「外界への接し方」の4つの指標で性格を16タイプに分類する性格診断です。最近、この診断が注目を集めていますが、誤解や偏見を招くケースも増えています。
本記事では、MBTIハラスメントの種類と影響についてご紹介します。
MBTI16のタイプについて詳しくはこちら⇩
もくじ
MBTIハラスメントとは
MBTIハラスメントとは、MBTI性格診断を基に人を不適切に扱ったり、偏見を持ったりする行為を指します。MBTIハラスメントにより、職場や人間関係において相手を傷つけたり、不公平な状況を生み出す可能性があるため、注意が必要です。以下に具体例を挙げて解説します。
1. タイプによる偏見
MBTIタイプを理由に、個人の能力や性格を決めつけたり、過小評価する行為はMBTIハラスメントに該当します。
【具体例】
- 「私はESFP(エンターテイナー)だから、ISTJ(管理者)との人とは気が合わない」とタイプが合わないことを理由に人間関係を避ける
- 「ISTJ(管理者)って融通利かないよね」とタイプを理由にネガティブな評価をする
- 「あなたはESTP(起業家)だから、この仕事は合わないと思う」と能力を否定する
2. タイプを理由にした不当な扱い
MBTIタイプを理由に、その人の能力や適性が十分にあるにもかかわらず、不公平な扱いをする行為はMBTIハラスメントに該当します。
【具体例】
- 「あなたはINTJ(建築家)だから、営業よりも戦略部門に向いている」と本人の意思を無視して部署を異動させる
- 「あなたはISFJ(擁護者)だから、リーダーに向いていない」と他の候補者よりも低く評価する
- 「ISFJ(擁護者)は世話好きだから」とサポート業務を多く割り当てる
3. タイプの強要
MBTIタイプを基準に、他人にも同じ行動や考え方を強制する行為はMBTIハラスメントに該当します。
【具体例】
- 「ENTP(発明家)なんだからもっと自由に発想するべきだ」と固定観念に基づいた過度な期待をかける
- 「ENTJ(指揮官)のようにリーダーシップを発揮しましょう」と特定の行動の強制をする
MBTIハラスメントの影響
個人への影響
- 精神的ストレス:
性格タイプに対する批判や誤解が積み重なると、自尊心の低下やストレスが積み重なっていきます。 - 人間関係の悪化:
特定の性格タイプに対する偏見や差別的な扱いによって、職場内外での対人関係をぎくしゃくさせ、信頼関係を損なう原因になります。 - キャリアへの悪影響:
「このタイプはリーダーシップに向かない」「クリエイティブな仕事に向いている」などのステレオタイプに基づいた評価が、キャリアの選択肢を制限したり、モチベーションを低下させることがあります。
特に、管理者がMBTIを強く推奨している場合、社員が不満を訴えづらくなり、問題が表面化しにくい点に注意が必要です。
組織への影響
- 職場の士気低下:
MBTIハラスメントにより、一部の従業員が不当な扱いを受けていると感じる場合、職場全体の士気が低下します。その結果、生産性の低下や離職率の上昇につながる可能性があります。 - 多様性の損失:
MBTIに基づき、特定のタイプの人材のみが採用・昇進される傾向が強まると、組織内の視点が画一化し、多様性が損失する恐れがあります。 - 法的リスク:
MBTIの結果を基にした差別的な扱いが訴訟に発展する可能性もあります。このような訴訟リスクは、企業のブランドイメージを損なうだけでなく、経済的損失をも引き起こす可能性があります。
MBTI診断の適切な扱い方
MBTIは人の性格や行動傾向を知るための一つの指標であり、個人のすべてを定義するものではありません。そのため、正しく理解し、適切に活用することが重要です。
【注意点】
- MBTIを絶対視しない
→MBTIはあくまでも一つの指標であり、個人のすべてを表すツールではない点に注意をしましょう。 - 偏見や固定観念を持たない
→MBTIによって人を「型」に当てはめるのではなく、他者を理解するきっかけとして活用することが大切です。 - 他人を制限しない
→MBTIタイプによって可能性を狭めるような使い方ではなく、誰もが自身の力を発揮できる環境を整えることが大切です。
MBTI診断の適切に扱う方法について、詳しくはこちら⇩
まとめ
MBTIは、適切に使用すれば自己理解や人間関係の改善に役立つツールです。しかし、「この人は〇〇〇〇タイプだから、こう考える」という固定的な見方をすることで、人間関係やキャリアに悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、MBTIは、問題解決のヒントや価値観の違いを理解するための参考として活用することが大切です。正しい使い方をすれば、MBTIは相手との違いを理解し、良好な関係を築くための有益なツールとなります。
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この記事を書いた人
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