セルフケアとラインケアのやり方

健康的に働くためには、従業員が仕事によるストレスに気づき、対処すること（セルフケア）が重要です。しかし、職場で発生するストレスには、個人の力だけで対処することが難しいものも存在します。そのため、職場環境の改善を含む、組織的なメンタルヘルスケアの取り組みが必要です。本記事では、メンタルへルスケアを向上させるために必要な「3つの予防」と「4つのケア」を紹介します。

メンタルへルスの「3つの予防」

メンタルヘルスを予防するためには3つの段階があり、それぞれの段階で適切な対策を行うことで、従業員のメンタルヘルスを守ることができます。

• 一次予防：メンタルへルス不調を未然に予防する
  • 職場環境の改善（業務量の適切な配分、ワークライフバランスの改善）
  • セルフケア能力の向上
• 二次予防：メンタルへルス不調を早期に発見し、適切な措置を行う
  • 定期的なストレスチェック
  • 相談しやすい環境づくり
• 三次予防：メンタルへルス不調となった労働者の職場復帰の支援等を行う
  • 復職プログラムの策定
  • 業務内容の見直し
  • 職場内の理解と協力

メンタルへルスの「4つのケア」

「3つの予防」を効果的に実施するためには、次の4つのケアが継続的かつ計画的に行われることが重要です。

• セルフケア：個人が自分自身の精神的・身体的健康を維持するために行う行動や習慣を身に着ける
  • ストレスやメンタルへルスに対する正しい理解
  • ストレスへの気づき
  • ストレスへの適切な対処
• ラインによるケア：管理監督者による職場環境の把握と改善
  • 職場環境等の把握と改善
  • 労働者からの相談対応
  • 職場復帰における支援
• 事業場内産業保健スタッフ等によるケア（産業医、衛生管理者、保健師、人事労務担当等）
  • 具体的なメンタルへルスケア
  • 事業場外資源とのネットワークの形成
  • 職場復帰における支援
• 事業場外資源によるケア（産保センター、医療機関、相談機関等）
  • 場外支援の活用（情報提供を助言を受ける）
  • 医療機関等とのネットワークの形成

セルフケアのやり方

1. メンタルへルスに対する正しい理解

• 教育と情報収集: メンタルヘルスに関する教育や学習を通じて、ストレスやメンタルヘルスに関する正しい知識を得ることが重要です。
• 認知行動療法の学習: 認知行動療法は、思考の歪みが感情や行動にどのように影響するかを理解し、適切な対処法を学ぶのに有効です。

2. ストレスへの気づき

• 身体のサインを観察: 頭痛、肩こり、胃の不調などの身体的な症状がストレスの兆候であることを認識することが重要です。
• 定期的な自己評価: 自分の気分や活力、行動の変化に注意を払い、ストレスの兆候を早期に発見することが大切です。

3. ストレスへの対処

• 規則的な生活習慣:
  • 食事: バランスの取れた食事を摂ることはメンタルへルスケア基本です。
  • 運動: 週に数回の適度な運動はストレスを軽減し、気分を向上させる効果があります。
  • 睡眠: 良質な睡眠を確保することは、ストレス管理や集中力の維持に重要です。
• ストレス管理:
  • リラクゼーション技術: 瞑想、深呼吸、ヨガなどはリラックスを促進し、心を落ち着けるのに役立ちます。
  • 趣味: 自分の好きな活動に時間を費やすことでリフレッシュできます。
• ソーシャルサポート:
  • 友人や家族との交流: 信頼できる人とのコミュニケーションは、心の支えとなり、孤独感を軽減します。
  • プロフェッショナルなサポート: 必要に応じて、カウンセラーの助けを求めることも重要です。

ラインケアのやり方

1. 職場環境の把握と改善

• １対１の面談: 定期的に部下と1対1で話し、業務状況や個人的な悩みについて相談できる機会を設けます。
• 従業員満足度調査: 定期的にアンケートを行い、職場の問題点や改善点を把握する。これにより、従業員が感じているストレスや不満を早期に特定し、対策を講じることができます。

2. 労働者からの相談対応

• 相談しやすい環境づくり: いつでも相談できる環境を整え、従業員が安心して悩みを共有できるようにしましょう。
• 迅速な対応とフォローアップ: 相談を受けた際には、真摯に耳を傾け、具体的な支援を行いましょう。対応策を実行した後も、フォローアップを行い、問題が解決したかを確認しましょう。
• トレーニングとサポート: メンタルヘルスに関する正しい知識を身に着けることが大切です。これにより、労働者の悩みに対して理解を示し、適切なサポートを提供できるようになります。

3. 職場復帰における支援

• 復帰プランの策定: 病気休暇から復帰する従業員に対して、段階的に仕事に戻る計画を立てます。例えば、最初は短時間勤務から始め、徐々に通常の勤務時間に戻るようにすることで、負担を軽減します。
• 復帰後のサポート体制の構築: 復帰直後は、管理監督者自身が定期的に従業員と面談し、復帰に伴う課題やストレスを確認します。

満足度調査でメンタルへルス対策

メンタルへルスケアには、3つの予防（一次予防、二次予防、三次予防）の3つの段階でそれぞれの適切な対応を行い、そして、個人がストレスへの対処能力を高めるセルフケア能力の向上だけでなく、職場改善を含む管理監督者によるラインケアが継続的かつ計画的に行われることが重要です。

Q. どんなことができるの？

• 組織の健康状態を4段階で測定します
• 社員の心のSOSを可視化します
• 職場改善案をご提案します

Q. どんな効果があるの？

企業様にはメンタルヘルスチェックとしてご活用いただけるだけでなく、従業員様にはメンタルヘルスの重要性を学ぶ機会を提供します。この取り組みにより、組織内のメンタルヘルス不調者の減少や早期離職の予防が期待できます。

Q. 他社との違いは？

受検して終わりではない、継続的な学びをご提供します。