ワークエンゲージメントとワーカホリックの違い

企業の人事担当者にとって、従業員の働き方や心理的な健康状態を理解することは非常に重要です。
特に、ワークエンゲージメントとワーカホリックの違いを把握することは、従業員の生産性向上とメンタルヘルスの維持に役立ちます。本記事では、この2つの概念の違いを明確にし、それぞれの特徴や影響について詳しく説明します。
もくじ
ワークエンゲージメントとは?

ワークエンゲージメントとは、仕事にやりがいやを感じ、熱心に取り組み、仕事から活力を得ている状態のことを指します。簡単に言えば、「仕事が楽しくてやりがいがあり、元気に頑張れる状態」を指します。
ワークエンゲージメントには次の3要素があります。
- 活力(Vigor):
仕事からエネルギーを得て、活気に満ちた状態 - 献身(Dedication):
仕事に対して強い情熱を持ち、意欲的に取り組む状態 - 没入(Absorption):
仕事に夢中になり、時間を忘れて取り組む状態
ワークエンゲージメントのメリット
ワークエンゲージメントが高い社員がいることは、企業にとって多くのメリットをもたらします。具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
- 生産性向上
- 高いパフォーマンス: ワークエンゲージメントが高い社員は、仕事に積極的に取り組み、高いパフォーマンスを発揮します。
- 自主的な行動: 自ら課題を見つけ、解決策を提案するなど、能動的に行動し、業務効率化に貢献します。
- 顧客満足度向上
- 高い顧客満足度: 顧客に対して積極的にコミュニケーションを取り、ニーズを的確に把握し、満足度の高いサービスを提供します。
- リピート率向上: 顧客との良好な関係を構築し、リピート率向上に繋がります。
- 企業イメージ向上: 顧客満足度の向上は、企業の評判を高め、ブランドイメージの向上に繋がります。
- 離職率低下
- 高い従業員満足度: 仕事への満足度が高く、会社への帰属意識が強いため、離職率が低下します。
- 人材の定着: 優秀な人材の流出を防ぎ、組織の安定化に貢献します。
- 採用コスト削減: 新規採用にかかるコストを削減できます。

仕事に積極的に取り組むワークエンゲージメントに対して、ワーカホリックという状態も存在します。次に、ワーカホリックの特徴や問題点について詳しく解説します。
ワーカホリックとは?

「ワーカホリック」とは、英語の「work(仕事)」と「alcoholic(アルコール中毒)」を合わせた言葉で、まさに「仕事中毒」のことを意味します。ワーカホリックは、仕事に対して執着や依存をしている状態で、健康やプライベートを犠牲にしてしまうことが多いです。
ワーカホリックの特徴
- 強迫的な仕事への没頭:
休暇中も仕事のことを考えたり、仕事に戻りたいと感じたりします - 仕事が中心の生活:
仕事が最優先で、趣味や家族との時間を犠牲にしても、仕事に全力を注ぎます - 休むと不安に襲われる:
仕事をしているときだけ充実感を感じ、仕事から離れると不安や空虚感を感じやすくなります
ワーカホリックがもたらす影響
一見すると、仕事に打ち込む姿は「やり手」や「高い成果を出す人」に見えるかもしれません。しかし、ワーカホリックであることは、長期的に見ると深刻な問題を引き起こします。
- バーンアウトのリスク:
ワーカホリックの従業員は、一時的には高い生産性を示すことがありますが、持続的なプレッシャーにより燃え尽き症候群(バーンアウト)や健康問題を引き起こし、生産性が低下してしまう可能性があります。 - 健康への悪影響:
ストレスが慢性化し、睡眠不足や疲労が蓄積されることで、心身ともに限界を迎えることがあります。過労による病気のリスクも高まります。 - 人間関係の悪化:
仕事を優先するあまり家族や友人との時間が少なくなり、コミュニケーション不足から疎遠になってしまうこともあります。

ワーク・エンゲージメントは、「働きたい」という思いが重要です。そして、ワーカホリックの「働かなければならない」状態とは区別して考える必要があります!
ワークエンゲージメントとワーカホリックの違いを見極める方法
ワークエンゲージメントとワーカホリックは似ているようで、全く異なるものです。
ワークエンゲージメントは「働きたい」という前向きな感情に基づきますが、ワーカホリックは「働かなければならない」という強迫的な感情に支配されています。
これら二つの概念を見分けるためには、次の3つのポイントが役立ちます。
ポイント①:仕事に対する気持ち
- ワークエンゲージメント:
- 仕事に情熱を持ち、自己成長を感じながら充実感を味わう。
- 「今日は何を成し遂げよう?」とワクワクする感覚がある。
- ワーカホリック:
- 仕事が重荷となり常にストレスを感じている
- 仕事を休むことに対して罪悪感を感じる
ポイント②:生活のバランス
- ワークエンゲージメント:
- 仕事とプライベートのバランスをうまく取っている
- 休みの日はリフレッシュし、エネルギーをチャージしてまた仕事に挑める
- ワーカホリック:
- 仕事が主な活動となり、他の生活面(家事や趣味、休息)が犠牲になっている。
- 「仕事=逃げ場」になり、他のことに手が回らなくなる
ポイント③:目的意識
- ワークエンゲージメント:
- 仕事そのものに興味があり、「このプロジェクトをやり遂げたい」「もっとスキルを高めたい」と内面から動機が湧いてくる
- やりがいを感じて前進できる
- ワーカホリック:
- 「もっと評価されたい」「もっと成功したい」と外的な評価やプレッシャーに追われる。
- 義務感や責任感で動かされることが多い
まとめ|従業員の働く満足度調査
ワークエンゲージメントは、仕事に前向きに取り組むエネルギーの源であり、企業や従業員に多くのメリットをもたらします。一方、ワーカホリックは、常に仕事に追われ、心身に大きな負担をかける状態です。自分自身やチームがどちらの状態にあるかを見極め、従業員一人ひとりの働き方と健康を大切にし、持続可能な労働環境を築いていきましょう。

Q. どんなことができるの?
- 組織の健康状態を4段階で測定します
- 社員の心のSOSを可視化します
- 職場改善案をご提案します
Q. どんな効果があるの?
企業様にはメンタルヘルスチェックとしてご活用いただけるだけでなく、従業員様にはメンタルヘルスの重要性を学ぶ機会を提供します。この取り組みにより、組織内のメンタルヘルス不調者の減少や早期離職の予防が期待できます。
Q. 他社との違いは?
受検して終わりではない、継続的な学びをご提供します。
